【発音を完璧にするコツは「音の変化パターン」を知ること】

「ネイティブの発音が難しいから、言ってることが全くわからない」という理由で、リスニング学習で挫折しそうになっていますか?

 

もしそうであれば、あなたに必要なのは「発音の変化パターン」をマスターすることです。「発音の変化パターン」を知ることで、ネイティブが無意識に行なっている自然な発音を理解することができ、リスニングスキルを向上させることができるからです。

 

この記事では、ネイティブの「発音の変化パターン」の理解が必要な理由を解説していきます。そして、「発音の変化パターン」の具体例を挙げていきます。

【「発音の変化パターン」の理解が必要なワケ:英語は文字どおりに発音されない】

リスニングの勉強を難しくしている原因の一つに、「発音の変化パターン」についての理解不足があります。つまり、「英語は文字どおりの発音がされない場合がある」ということがわかっていないのです。

 

残念ながら、「発音」について学校で詳しく学ぶことはありません。学校の英語教育では、発音がそれほど重要視されていないからです。

 

しかし、リスニング学習において、「発音の変化パターン」を知ることはとても重要なのです。このパターンが理解できないと、「文字と音のギャップ」を埋めることができず、時間をかけてもなかなか上達しないからです。

 

「リスニングを勉強するために、またルールを覚える必要があるの?」と思われているかもしれません。ルールばかりで、実際に使えない英語を学ぶことにならないか。そんな心配もあるでしょう。

 

しかし、ルールを知っておくことはとても大事なことです。英文法がわからなければ英語の文章が作れないように、「発音の変化パターン」を知らなければどのように音が変化するのか理解できないからです。

 

ただ闇雲にリスニング学習をするのではなく、知識も一緒に学習することで、勉強の成果を確実に掴んでいきましょう。

【「発音の変化パターン」を覚えよう】

「発音の変化パターン」にはいろいろありますが、実はある一定の法則があります。その法則さえ覚えてしまえば、発音の変化で悩まされることもなくなるでしょう。

 

「発音の変化パターン」は大きく分けて3つあります。

 

  • リエゾン(リンキング)
  • リダクション
  • フラッピング

 

それでは、一つずつみていきましょう。

 

<リエゾン(リンキング)>

 

リエゾン(リンキング)とは、何でしょうか? ウキペディアによると、次の説明がされています。

 

『フランス語における(外)連声の一種で、語を単独では読む場合には発音されない語末の子音字が、直後に母音が続く場合に発音される現象を言う。』

 

リエゾンとリンキングは、厳密には違いがあります。しかし、便宜上ここではほぼ同じ意味として扱います。

 

リエゾン(リンキング)には、どのようなものがあるのでしょう。一つずつ確認していきましょう。

 

「子音」+「母音」

 

「子音」+「a」の場合

 once ⁀ a day (ワンス ア デイ) ⇒ (ワンサ デイ)
 take ⁀ a look (テイク ア ルック) ⇒ (テイカ ルック)
 have ⁀ a good day (ハヴ ア グッド デイ) ⇒ (ハヴァ グッド デイ)

「子音」+「主語のI」の場合

 Can ⁀ I   (キャン アイ) ⇒ (キャナイ)
 Should ⁀ I (シュドゥ アイ) ⇒ (シュダイ)
 Am ⁀ I (アム アイ) ⇒ (アマイ)

「子音」+「are」および「are」+「子音」の場合

 there ⁀ are (ゼァ アー) ⇒ (ゼァラー)
 What ⁀ are (ワット アー) ⇒ (ワラー)

「子音」+「if」の場合

 even ⁀ if   (イーヴェン イフ) ⇒ (イーヴニフ)
 What ⁀ if (ワット イフ) ⇒ (ワティフ)

「子音」+「is」の場合

 there ⁀ is (ゼァ イズ) ⇒ (ゼァリズ)
 a dog ⁀ is   (ア ドッグ イズ) ⇒ (ア ドッギズ)
 a book ⁀ is (ア ブック イズ) ⇒ (ア ブッキズ)

「子音」+「of」の場合

 one ⁀ of   (ワン オヴ) ⇒ (ワンノヴ) 
 most ⁀ of (モウスト オヴ) ⇒ (モウストヴ)
 all ⁀ of (オール オヴ) ⇒ (オーロヴ)
 think ⁀ of (スィンク オヴ) ⇒ (スィンコヴ)
 out ⁀ of (アウト オヴ) ⇒ (アウトヴ)

「r」+「母音」の場合

 are ⁀ all (アー オール) ⇒ (アーロール)
 were ⁀ always   (ワー オールウェイズ) ⇒ (ワーロールウェイズ)
 for ⁀ a while (フォー ア ホワイル) ⇒ (フォーラホワイル)
 far ⁀ away (ファー アウェイ) ⇒ (ファーラウェイ)

「子音」+「us」の場合

 made ⁀ us  (メイド アス) ⇒ (メイダス)
 take ⁀ us (テイク アス) ⇒ (テイカス)
 seen ⁀ us (シーン アス) ⇒ (シーンナス)

「その他の子音」+「母音」

 have ⁀ always   (ハヴ オールウェイズ) ⇒ (ハヴォールウェイズ)
 have ⁀ already (ハヴ オールレディ) ⇒ (ㇵヴォーレディ)
 been ⁀ able (ビーン エイブル) ⇒ (ビンネイブル)
 run ⁀ out (ラン アウト) ⇒ (ランナウト)
 like ⁀ it (ライク イットゥ) ⇒ (ライキットゥ)
 put ⁀ on/off (プットゥ オン/オフ) ⇒ (プットン/プットフ)

「子音」+「子音」

 

「b / v / p」の場合

 have ⁀ been  (ハヴ ビーン) ⇒ (ㇵビーン)
 I’ve ⁀ been (アイヴ ビーン) ⇒ (アイビーン)

前が「d」で後ろが「t」の場合

 need ⁀ to (ニードゥ トゥ) ⇒ (ニートゥ)
 used ⁀ to (ユースドゥ トゥ) ⇒ (ユーストゥー)
 had ⁀ to (ハドゥ トゥ) ⇒ (ヘァットゥー)
 talked ⁀ to    (トークトゥ トゥ) ⇒ (トークトゥ)

その他「t / d / the」の場合

 get ⁀ down (ゲット ダウン) ⇒ (ゲッダウン)
 good ⁀ day (グッド デイ) ⇒ (グッデイ)
 thousand ⁀ dollars  (サウザンド ダラーズ) ⇒ (サウザンダラーズ)
 hot ⁀ dog (ハット ドッグ) ⇒ (ハッドグ)
 could ⁀ do (クッドゥ ドゥ) ⇒ (クッドゥ)

「子音」+「y」の場合

 could ⁀ you (クドゥ ユー) ⇒ (クヂュー)
 Don’t ⁀ you (ドント ユー) ⇒ (ドンチュー)
 help ⁀ you (ヘルプ ユー) ⇒ (ヘルピュー)
 with ⁀ you (ウィズ ユー) ⇒ (ウィジュー)
 was ⁀ your (ワズ ユア) ⇒ (ワヂュア)
 arrived ⁀ yet (アライブド イェット) ⇒ (アライヴヂェッ)
 decided ⁀ yet     (ディサイディドゥ イェット) ⇒ (ディサイヂェッ)
 this ⁀ year (ディス イヤー) ⇒ (ディシヤー)
 like ⁀ you (ライク ユー) ⇒ (ライキュー)

<リダクション>

 

リダクション(reduction)とは、本来ある音が発音されない、脱落している、あるいは非常に弱い発音に変化することを指します。

 

どのような例があるのか、一つずつ確認していきましょう。

 

単語の最後が「t / d / k / p」の場合

 righ(t) now (ライトゥ ナウ) ⇒ (ライナウ)
 tol(d) me (トールドゥ ミー) ⇒ (トールミー)
 le(t) me know (レットゥ ミー ノウ) ⇒ (レッミー ノウ)
 I don’(t) think so      (アイ ドント スィンク ソー) ⇒ (アイ ドン スィンク ソー)
 haven’(t) done (ハヴントゥ ダン) ⇒ (ハヴンダン)
 can’(t) stand (キャント スタンド) ⇒ (キャンスタンド)

単語の最後が「k / ck / p / v」の場合

 i(ke) me (ライク ミー) ⇒ (ライ ミー)
 sto(p) here    (ストップ ヒアー) ⇒ (ストッ ヒアー)
 gi(ve) me (ギヴ ミー) ⇒ (ギッ ミー)

単語の最後が「-te」「-de」で終わる場合

 transla(te) (トランズレイト) ⇒ (トランズレイ)
 deci(de) (ディサイドゥ) ⇒ (ディサイ)
 crea(te)     (クリエイト) ⇒ (クリエイ)
 poli(te) (ポライト) ⇒ (ポライ)
 besi(de) (ビサイド) ⇒ (ビサイ)

「his / him / her」が子音の後ろにある場合

 ask (h)im/(h)er (アスク ヒム/ハー) ⇒ (アスキム/アスカー)
 take (h)im/(h)er     (テイク ヒム/ハー) ⇒ (テイキム/テイカー)
 seen (h)im/(h)er (シーン ヒム/ハー) ⇒ (シーンニム/シーンナー))

「-n+子音」+「母音」の場合

 don’(t) ⁀ I (ドント アイ) ⇒ (ドンナイ)
 isn’(t) ⁀ i(t) (イズントゥ イット) ⇒ (イズンニッ)
 kin(d) ⁀ of  (カインド オヴ) ⇒ (カインノヴ)
 talkin(g) about     (トーキング アバウト) ⇒ (トーキンナバウト)

「-st+s-」の、「t」の音が消えて「-s ⁀ s-」で連結する場合

 nex(t)⁀ stop (ネクスト ストップ) ⇒ (ネクストップ)
 firs(t)⁀ step (ファースト ステップ) ⇒ (ファーステップ)
 las(t)⁀ Saturday     (ラスト サタデー) ⇒ (ラスサタデー)

よく使われるフレーズ

 you an(d)⁀ I (ユー アンド アイ) ⇒ (ユーアンダイ)
 black an(d) white       (ブラック アンド ホワイト) ⇒ (ブラッカンホワイト)

<フラッピング>

 

フラッピング(flapping)とは、簡単に言うと「t」が「d」の音が日本語のラ行のように発音される現象のことです。

 butter (バラー)
 latter (ララー)
 pudding (プリング)
 put i(t) (プリッ)
 water (ワーラー)
 harder (ハーラー)

これらの他に、口語としてよく使われるいくつかの単語と「to」が一緒になると、発音が激変するパターンもあります。

 want to (wanna) (ワントゥ トゥ) ⇒ (ワナ)
 going to (gonna) (ゴーイング トゥ) ⇒ (ゴナ)
 got to (ガットゥ トゥ) ⇒ (ガタ)
 ought to (オートゥ トゥ) ⇒ (オータ)
 have to (ハフ トゥ) ⇒ (ハフタ)
 has to (ハス トゥ) ⇒ (ハスタ)

【まとめ】

ネイティブの発音を完璧に聴けるようになりたいのなら、「発音の変化パターン」を理解することが絶対に必要です。

 

「発音の変化パターン」は大きく分けて3つあります。それは、リエゾン(リンキング)、リダクション、そしてフラッピングです。

 

それぞれに独特の法則があり、その法則さえ理解できればリスニング上達の速度を速めることが可能です。

 

ただし、正しい知識を覚えるだけにとどまらないようにしてください。その知識を使って、音読練習とリスニングをしっかりやりましょう。

 

知識だけでは決してリスニングスキルは上達しません。知識をつけたら、必ず実際に体を使って確実に身につけるようにしてください。

 

英会話ファーストステップ 清水健雄