【スラッシュリーディングで英文構造を「可視化」する】

「英文が長くなると、途端に文章が読めなくなる」というのなら、スラッシュリーディングで英語の文章を読む練習をするのが一番です。スラッシュリーディングをすることで、英文の構造を「可視化」できるからです。

 

英語が日本語と大きく異なる点は、英文では品詞ごとに順番が決まっていることです。そのため、ちょっとでも順番が違うと、たちまち意味の通じない文章が出来上がります。

 

スラッシュリーディングをすることで、英語の文章の並べ方を分かりやすくします。これが「英文の構造を可視化する」ということです。

 

この記事では、まずスラッシュリーディングをすることで得られるメリットをお話していきます。そして、どこにスラッシュを入れていくか、具体例を出しながら解説していきます。

【スラッシュリーディングをやるべき理由】

スラッシュリーディングとは、「英文を頭から理解できるよう、意味のカタマリごとにスラッシュ( / )で区切って読んでいく方法」のことを言います。

 

特に、英語学習を始めて間もない、あるいは英語学習をしていても、なかなかリーディングスキルを伸ばすことができないと思っている学習者であるのなら、スラッシュリーディングを導入するといいでましょう。スラッシュリーディングを行なうことで、英文が読めない原因の一つを解決することができるからです。

 

その原因とは、「英語の語順で読むことができない」ことです。

 

では、スラッシュリーディングがこの原因を解決できる理由を説明していきます。

 

<英語のかたまりが理解できる>

 

先ほど、スラッシュリーディングでは「意味のかたまりで区切る」ということを話しました。下の英文を使って、もう少し詳しく解説してみましょう。

 

“Sharpen the saw” basically means expressing all four motivations.  It means exercising all four dimensions of our nature, regularly and constantly in wise and balanced ways."

(『七つの習慣』より抜粋)

 

これにスラッシュを入れていくと、このようになります

“Sharpen the saw” basically means / expressing all four motivations.  It means / exercising all four dimensions of our nature /, regularly and constantly / in wise and balanced ways.

 

しかし、英語初心者の場合、英文の読み方が以下のような傾向になります。

“Sharpen the saw” / basically / means / expressing / all / four / motivations.  It / means / exercising / all / four / dimensions / of / our / nature /, regularly / and / constantly / in wise / and / balanced / ways.

 

つまり、単語一つひとつをバラバラにして考えるのです。簡単な短い文章であれば、バラバラにしても意味がわかるかもしれません。

 

しかし、例文のような長文の場合、細切れにしてしまうとそれぞれの単語の意味は理解できたとしても、文章としての意味が分からなくなってしまいます。

 

英語は、全てが単語一つで意味を成すのではなく、複数の単語が集まって一つの意味になるものも多数あります。したがって、「意味のあるかたまり」を見つける訓練としてスラッシュリーディングをおススメします。

 

<英語を英語の語順で読む>

 

日本語に比べると、英語はそれぞれの品詞の語順がはっきりしています。スラッシュで区切ったかたまりごとに、まずは日本語にしていくのもいいでしょう。たとえばこのようになります。

 

“Sharpen the saw” basically means / expressing all four motivations.  It means / exercising all four dimensions of our nature /, regularly and constantly / in wise and balanced ways.

『刃を研ぎ澄ます』とは基本的に意味します / 4つ全てのモチベーションを表すことを / そういう意味です / 私たちの本質の4つ全ての特徴 / 定期的にかつ継続的に / 賢くバランスを持った方法で

 

見てのとおり、英語の語順で日本語訳をすると、日本語としてあまり良い文章にはなりません。

 

しかし、実はこれでよいのです。英文を読むということは、「日本語訳をするのではなく、英文を理解することが目的」だからです。ですので、日本語は「ざっくりと理解できる範囲」でいいでしょう。日本語訳は、あくまでも英文を理解するための補助役と考えてください。

 

このように説明しても、最初のうちはどうしても「日本語訳」をしてしまいます。これは、学校での英語教育の影響が大きいのでしょう。中学・高校での英語学習というと、まず思い浮かぶのが「英文読解」です。

 

しかし、残念ながらこれは「英語を日本語に訳する」ことに徹してしまっています。そのため、英文を英語の語順で理解するという作業が全く行なわれません。

 

したがって、「英文を英語で理解する」ために、スラッシュを入れることで英語の語順を徹底的に頭に入れていきましょう。そして、英文の語順が自然で出てくるようになるまで、何度も繰り返し同じ文章を読んでください。最初は、「これぐらいの英文なら、日本語に訳さなくても分かる」レベルからやっていき、徐々にレベルを上げていきましょう。

 

そうすることで、無理なくリーディングレベルを挙げていくことができるのです。

 

<長文の英語を読む訓練になる>

 

ちょっと長い英文が並んだページに出くわすと、反射的に「もう読めない」という状態になっているのなら、このスラッシュリーディングがおススメです。どこで区切ればいいのか、はっきりとわかるようになるからです。

 

本や雑誌などは、短い文章や長い文章が混在する段落を読み、そしてその段落が続くページを読むのが普通です。短い文章が一文ずつわかりやすく書いてあるわけではありません。したがって、長文が読めるようになることは、リーディングスキルを上げるという意味においてはとても重要になってきます。

 

たとえ長い文章であっても、英語の構造は同じです。スラッシュを入れることで、意味を持つまとまりごとに区切られます。そうすることで、短い文章と同じように読めるようになるのです。

【スラッシュの入れ方】

ここまで読んでいただいたあなたに、今度はスラッシュの入れ方をお伝えしていきます。

 

実は、スラッシュの入れ方に厳密なルールはありません。ここでお話するのは、ごく一般的なことです。スラッシュを入れる目的は、「英語を英語の語順で読むことをできるようにすること」です。ですので、その目的さえ達成できれば、多少スラッシュが前後しても問題ありません。

 

ルールと言っても、「こうでなくてはいけない」ものではないことを覚えておいてください。

 

1.that節・疑問詞節・whether節の前

  • He told me / that his friends are going to be late.(that節)
  • I don't know / what I should do with this.(疑問詞節)
  • You must decide / whether you want to go or not.(whether節)

 

2.関係代名詞・関係副詞の前

  • That is my dad / who is talking with my teacher.(関係代名詞)
  • The time will come / when he gets married to her.(関係副詞)

 

3.接続詞の前

  • I cannot attend the meeting / because I need to leave soon.
  • I will pay extra / if you give me the best stuff.

 

4.カンマ( , )・セミコロン( ; )・コロン( : )の後

  • If I were you, / I would stay and study at home.(カンマ)
  • I might go back home; / I do not feel well.(セミコロン)
  • My friend likes Japanese food: / sushi, sukiyaki, and tempura.(コロン)

 

5.前置詞句(=副詞や形容詞の働きをする場合)の前と後

  • The man / in this picture / is my brother.(前置詞が主語に含まれている)
  • I must be in the office / during the meeting.

 

6.不定詞・分詞・動名詞の前

  • We must take some water / to avoid getting heatstroke.(不定詞)
  • The company will shut down / starting from the end of this month.(分詞)
  • His mission is / saving children in the world.(動名詞)

 

7.目的語や補語が長い場合にはそれらの前

  • My dream is / to go back and forth between Japan and the US.(補語)
  • I really want to see / the world heritage in Japan.(目的語)

 

8.主語が動名詞句や疑問詞句のように長い場合はその後

  • The one of the places I will visit today / is Kinkakuji Temple.

【まとめ】

スラッシュリーディングをすることで、英文の構造を可視化することができます。そして、それを繰り返すことにより、「意味のあるかたまりで区切る」「英語を英語の語順で読む」「長文が読めるようになる」ということができるようになります。

 

スラッシュの入れ方に関しては、あくまでも一般論であることを覚えておいてください。厳密なルールは存在しませんが、この記事で紹介した入れ方を念頭に置いて、「意味のあるかたまり」で区切るようにしてくといいでしょう。

 

英会話ファーストステップ 清水健雄