【リーディングスキル向上の3大ポイント:精読・音読・多読】

リーディングスキル向上に必要なポイントは、「精読・音読・多読」をバランスよく行なうことです。

 

リーディング学習では、「できる限り多くの本を読む」ことがスキルアップするためには大切です。

 

しかし、ただ大量の本を読んでも内容を理解できていなければ、それは「読んでいない」のと同じことです。そこで、内容をしっかり理解するまで徹底的に「単語」や「文法」を調べることが重要になります。また、読んだ内容を脳内にしっかりと定着させるのに一番良い方法は、「声に出して読む」ことです。

 

つまり、リーディング学習では、「精読」「音読」「多読」を取り入れることが大事なのです。

 

そこで、この記事では「精読」「音読」「多読」それぞれの学習方法に関して、具体的に解説していきます。

【「精読」「音読」「多読」の順番とバランスが上達スピードを決める】

リーディング学習には、「精読」「音読」「多読」が効果的です。そして、さらに効果を上げるためには「順番」と「バランス」を考えることが大切です。

 

<リーディング学習を進める順番>

 

最大限の成果を出すためには、「精読」⇒「音読」⇒「多読」という順番で学習を進めていきましょう。この順番で勉強することで、「精読」「音読」「多読」のそれぞれのメリットを十分に活かすことができるからです。

 

詳しく解説する前に、「精読」と「多読」の違いを確認しましょう。

 

「精読」とは、「英文を100%理解するまで、単語や文法などを徹底的に読み込む」学習方法です。

 

対する「多読」は、「読めるようになった英文を、より早く処理できるようにすることを目的」とした学習です。

 

したがって、「精読」なくしては「多読」は成り立ちません。正確な読解力のない時点で多読をしても、それは誤読を繰り返すことになるからです。ゆっくりですら読めない英文を「多読」しようとしたら、それは単に「雑に読む」ことと大差ありません。

 

必ずこの順番でリーディングを進めていくようにしましょう。

 

<「精読」「音読」「多読」のベストバランス>

 

学習する順番と同じく大事なのが、「精読」「音読」「多読」にかける時間のバランスです。私(当サイト管理者)がおススメするそれぞれの割合は、以下のとおりです。

 

「精読」:「音読」+「多読」 = 20~30%:70~80%

 

つまり、「多読」により時間をかけるのがいいのです。「精読」で100%英文を徹底的に理解(「精読」)した後に、その英文を暗記するつもりで何度も繰り返し読み込む(「音読」+「多読」)ことで、英文の構造を脳に刷り込むことができるからです。

 

「精読」で英文を100%理解したとしても、それは短期記憶であり、脳に長期記憶として保存されるには十分ではありません。脳に「大切な情報」として認識させるには、繰り返し同じ情報に触れることが必要です。さらに、「音読」を併用することで、より一層長期記憶として定着しやすくなりますし、リーディングだけでなくリスニングスキルアップにも役立ちます。

 

「精読をしたから、英文は覚えた」という考えは捨てましょう。何度も読み返して確実にあなたの知識にしてください。

【「精読」「音読」「多読」の学習方法】

「精読」「音読」「多読」それぞれを、正しい順番でバランスよく行なう重要性を理解したところでしょう。

 

そこで、次にお伝えしたいのはそれぞれの「正しい学習方法」です。

 

たとえ最も効果が出る順番やバランスが分かっても、学習方法が間違っていては意味がありません。この記事を参考に、それぞれの学習を効果的に進めていきましょう。

 

<「精読」の学習方法>

 

先に解説したとおり、「精読」では「英文を100%理解するまで」単語や文法などを徹底的に読み込みます。具体的には、以下の項目に注意して読んでいきましょう。

  1. 単語の意味・品詞
  2. 発音・アクセント
  3. 単語の語法
  4. 文構造(特に主語と動詞)
  5. 文法・構文

1.単語の意味・品詞

 

分からない単語・熟語は必ず辞書で調べましょう。「何となく知っている」単語も含めて、100%理解できていない場合、それは辞書で調べる対象であることを覚えておいてください。

 

単語の意味だけでなく、品詞も調べるクセをつけておくと単語の理解がもっと深まります。英語は品詞によって単語を並べる語順が決まっているからです。

 

2.発音・アクセント

 

単語の意味や品詞と同時に、発音・アクセントを必ず確認しましょう。

 

辞書には単語の意味だけでなく発音記号も記載されています。私は、「単語の意味を調べて終わりにするのではなく、発音記号を見ながら実際に声に出して発音やアクセントを確認すること」と、全ての生徒に指導することにしています。声に出した方が、記憶の定着率がずっとよくなりますし、同時にスピーキングとリスニングの練習にもなるからです。

 

発音・アクセントを確認することは、リーディングはもちろん、それ以外のスキルも同時に伸ばすことができるのです。

 

3.単語の語法

 

単語の語法とは、「その単語はどのような使い方」をするかということです。

 

たとえば、「stop」の代表的な語法としては、以下のようになります

stop to do:「~するために立ち止まる」

stop ~ing:「~することをやめる、止める」

 

このように、どのような使い方をするのか一つずつ丁寧に調べることで、リーディングはもちろん、他のスキル強化(特にライティング)にも役立ちます。

 

4.文構造(特に主語と動詞)

 

主語・動詞・目的語・補語・修飾句など、文構造がどうなっているのかを一文ずつ必ず確認していきましょう。特に、「主語・動詞」を確実に理解できるようにしてください。「主語・動詞」は、英文を構成する基本中の基本だからです。「第一文型」が「主語+動詞」となっているのは知ってのとおりです。

 

文構造を把握するためには、スラッシュリーディングがおススメです。長文で全く理解できない文章が出てきたら、「最初に主語を探す」ためにスラッシュを入れていきましょう。

 

5.文法・構文

 

精読では、文法と構文のチェックは必須です。この2点をしっかり把握しなければけっして英文を正しく理解できないからです。

 

文法と構文は、英語の基本です。そして、リーディングを行なう最大の目的の一つは、「文法を学ぶこと」です。英語上級者は必ず文法・構文をしっかりと学んでいます。そうでないと、正しい英語を使えないからです。

 

しかし、高度な文法を学ぶ必要はなく、「中学3年生」までの文法・構文をまずは完全にしておきましょう。これだけで、約80%はカバーできると考えていいでしょう。

 

<音読の学習方法>

 

「英語を英語で理解する」には、「精読」で終わらせるのではなく、そこからさらに練習が必要になります。

 

まず行なってほしいのは、「音読」です。

 

「リーディング学習なのに音読?」と思うかもしれませんが、「声に出して」読むことが重要なのです。私たちの脳は、目で見ただけよりも「口」「声帯」「あご」「舌」を使って覚えたことの方がより記憶に残るからです。

 

「音読」をするには、次のステップを踏みましょう。

  1. 教材を選ぶ
  2. 細切れで音読をする
  3. 何度も繰り返す

1.教材を選ぶ

 

音読で重要なのは教材選びです。使用する教材は、「日本語訳」が付いているものがよいです。これに、音源があると音読学習の効率が上がります。

 

しかし、そのような教材をわざわざ別に用意する必要はありません。精読で使用した教材を積極的に活用していきましょう。精読で得た知識を深く脳に刻みこむため、同じ教材で行なうのがベストです。

 

2.細切れで音読をする

 

音読を行なうときは、一気に全文をやる必要はありません。2~3分程度の長さの文章を毎日練習していく方が効果的です。2~3分と言っても、初めて音読を行なうのならかなり長いと感じるでしょう。

 

音読では、「発音とアクセント」を意識しながら、リズムよく読んでください。「速く読む」ことは、考えなくて大丈夫です。正しい発音・アクセントで、リズムをつけながら声に出して読むことで、私たちの脳にその情報が蓄積されていくのです。

 

3.何度も繰り返す

 

ただし、1回音読しただけで次にはいかないようにしてください。繰り返し練習しないと、脳が「重要な情報である」と認識できないからです。決まった回数はありませんが、最低5回は繰り返しましょう。時間に換算すると、一日15~30分ぐらいになります。

 

これは最低限ですので、時間がある限り音読の回数を増やしてください。そのためには、隙間時間の活用をおススメします。まとまった時間ではなく、生活リズムに合わせて5分でもできるようであれば、そこで音読の練習をしましょう。

 

<多読の学習方法>

 

多読とは、読んで字のごとく「たくさん読む」ことです。精読・音読と終えた後に、最後の仕上げとして「多読」を行ないましょう。同じ文章を何度も読むことで、「英語の文章を英語で読む力」を養うことができます。

 

有名な文豪である夏目漱石はこのように言っています。

「要するに英語を学ぶ者は日本人がちょうど国語を学ぶような状態に自然的習慣によってやるがよい、即ち幾変となく繰り返し繰り返しするがよい、ちと極端な話のようだが之も自然の方法であるから手あたり次第読んでいくがよかろう(出典:『現代読書法』)」

 

夏目漱石は英語が堪能であったことでも知られていますが(作家になる前は英語教師でした)、「日本語を学ぶように、英語も何度繰り返して学習する」ことを推奨しています。

 

ただし、できるだけたくさん読むことを勧められていると言っても、全く意味もわからない英文では意味がありません。そのようなやり方は、「間違った理解」を引き起こす可能性があるからです。

 

したがって、多読に一番適しているのは「精読」をした教材だと言えます。「精読」することで、わからない単語・文法・構文を全て調べているので、英文の内容がしっかり理解できているからです。「多読」では辞書を使わないことも大事ですが、「精読」した教材を使えばその必要もなくなります。

 

そして、「多読」を行なうときは、「音読」と同じように何度も読むことが重要です。それこそ、英文を暗記するぐらいまで何度も繰り返して読み込むのです。そして、できるだけ多くの回数を読むために、スピードを上げて読むこともやってみるといいでしょう。そうすることで、「英語を英語で理解する」ことができるようになっていくのです。

【まとめ】

リーディングスキル向上のためには、「精読」「音読」「多読」の3つを行なうことが必要です。

 

ただし、闇雲に行なうのではなく、それぞれのバランスとやり方を考えて行なうことが重要です。必ず「精読」「音読」「多読」の順序で行ない、「音読」「多読」の回数を「精読」よりも多くこなします。「何度も繰り返し読み込む」ことが大切だからです。

 

しかし、「精読」ではじっくり時間をかけて単語・文法・構文を確認してください。理解できない英文を「音読」「多読」しても意味がなく、かえって「誤解」を抱えたままになってしまう可能性があるからです。

 

「精読」「音読」「多読」は決して難しいことではありませんが、時間と根気が必要です。続けていくうちに、リーディングスキルが上がっていくことを実感するでしょう。

 

英会話ファーストステップ 清水健雄