【ビジネスマンに必要な英語力はシンプルな英語が話せること】

多くの人は、「ネイティブのように話したい」と思っています。

 

しかし、残念ながら「アメリカ人やイギリス人のように話すこと」は、私たちにはほぼ不可能に近いことがわかっています。

 

様々な研究で証明されているのですが、外国語を母国語のようにスムーズに習得できる年齢は「7歳まで」です。この年齢を過ぎると、脳は母国語以外の音をブロックするようになってしまうからです。

「流暢な英語」を話すことができれば、ネイティブとの会話はスムーズにいきます。なぜなら、言葉によるストレスがないからです。余分なストレスを与えないことは、コミュケーションをする上で大切なことです。

 

ただ、先に述べた通り、私たちはアメリカ人やイギリス人のように「流暢な英語」を話すことは難しいです。

 

では、「ビジネスマンとしてつける英語力」はどの程度なのでしょうか? 実は、ビジネスマンに必要な英語力は「シンプルな英語」だけです。ビジネスを行なう上で「最低限伝わることが重要」だからです。このページでは、あなたがビジネスを行なう上で必要は「英語力」について、より具体的にお伝えします。

【ビジネスシーンでは「非ネイティブ」が主流】

ここでいうネイティブとは「英語が母国語である」ことを指します。一方、非ネイティブとは「英語を公用語、あるいは第二言語として使用している」と定義しているとお考え下さい。

 

たとえば、アメリカやイギリスなどが、ネイティブ、インドやシンガポールなどが非ネイティブとなります。

 

<思っているより低いネイティブ人口の割合>

 

「英語が母国語(以下、ネイティブ)」である国の人口、そして「英語を公用語、あるいは第二言語として使用している(以下、非ネイティブ)」国の人口を合わせた人数が、全世界の人口に対してどのくらいの割合であるかご存じでしょうか?

 

実は、全世界人口の約25%なのです。

 

次に、ネイティブと非ネイティブの割合を比べてみましょう。実は、ネイティブの割合というのは約30%とそれほど高くありません。

 

一方、非ネイティブの割合は約70%となります。つまり、非ネイティブの人口が圧倒的に多いのです。これは「英語を日常的に使用している」国の総人口で考えた場合です。

 

全世界の人口で再計算してみると、ネイティブの割合は約8%となり、ぐっと割合は小さくなってしまいます。言い換えると、世界のほとんどは非ネイティブとなるのです。

 

ビジネスシーンおいて、コミュニケーションは「非ネイティブ」と行なうことがほとんどであることがわかります。

 

<まずは「シンプルな英語」が使えるようする>

 

非ネイティブが多い環境では、まずは「シンプルな英語」を使えるようになることを目指しましょう。なぜなら、「シンプルな英語」の方が、勘違いや間違いが少なく、最低限の意思疎通を図ることができるからです。

 

「シンプルな英語」とは、次のような英語のことです。

  • 短い文章、簡潔な表現
  • 限られた単語を駆使する
  • スラングや難しい単語を使わない

(引用:“Native English speakers are the world’s worst communicator”)

「シンプルな英語」を使うためのコツは、直訳をしなくてもいいのかどうかを見極めることです。

 

例えば、あなたは以下の日本語をどのように英語で言うでしょうか?

 

「彼の新しい発想はとても素晴らしい」

 

「発想」は “notion” という単語が当てはめることができるはずです。そして、「とても素晴らしい」は “awesome” という単語をよく使います。

 

まとめると、“His new notion is awesome.”となります。

 

しかし、英語初心者ではこれらの単語は、なかなか思いつくものではありません。そのため、まずはあなたの知っている単語で、近い意味の単語を思い浮かべてみましょう。

 

たとえば、「発想」は “idea” でもいいのではないでしょうか? また、「とても素晴らしい」は “very good” で十分でしょう。そう考えると、次の英語で十分通じるはずです。

 

”His new idea is very good.”

 

瞬間的に単語を思い浮かべるためには、日ごろからの訓練が必要です。

 

あなたの知っている単語で、周りにある物、会話などを英語で考える時間を毎日5分でもいいので持ちましょう。「あれは英語でどうやって言うんだろう?」、「これを英語にすると、どんな単語を使うんだろう?」というような、ちょっとした考えが大きな差になると考えてください。

【TOEICを目安にする】

2017年11月現在、多くの企業で英語能力を図るために採用されているのがTOEICです。2016年5月29日に実施された第210回の試験より、出題形式が大幅に変更になりました。

 

英語レベルを計る目安にTOEICをお勧めする理由は、ビジネスシーンや日常生活でのやり取りを想定した問題が多数出題されるからです。

 

ビジネスミーティングや、Eメール、広告、チャットなど、すぐに使えそうなフォーマットやフレーズが満載です。どんな英語がビジネスシーンで使われるのか、その点に注目しながらTOEICの学習を進めていくといいでしょう。

 

<TOEICの点数と英語レベル>

 

「自分は今、どのレベルなのだろうか?」と悩む人は多いです。自分の今のレベルがわかれば、今後の英語学習の目標が立てやすいはずです。

 

そこで、TOEICの点数からわかる英語レベルを紹介します。以下の通りです。

  • 400点台:街中にある標識や看板が理解できる。会話では、ゆっくり・繰り返しで何とか理解できる。
  • 500点台:電車はバス、飛行機などの時刻表が理解できる。簡単な質問が理解できる。
  • 600点台:簡単なメモ書きが理解できる。ゆっくりとしたスピードであれば、目的地までの道のりが理解できる。
  • 700点台:会議の内容、自身の業務に関わる事柄の文書を理解できる。ビジネスを円滑に進めることができる英語レベルの目安。
  • 800点台:英語での情報収集ができる。ビジネスにおいて本格的に英語が使えるレベル。

このTOEIC点数と英語レベルの相関表から、「ビジネスマンとして目指すべき」英語力について考えてみましょう。

 

<ビジネスマンとしてどこを目指すべきか?>

 

もし、あなたがサラリーマンであれば、TOEICが必要な理由はいくつかあるでしょう。

 

昇進をするために規定の点数が必要

希望の部署に行きたい

転職したい

あるいは、あなたは就職活動中、またはTOEICをアピールポイントにしたいのでしょうか?

 

もしそうであれば、企業が求めるTOEICの点数を把握することから始めましょう。

 

「上場企業における英語活用実態調査」によると、企業が求めるTOEICの点数は以下のようになります。

  • 新入社員:465~670
  • 中途採用社員:610~815
  • 海外出張:570~780
  • 海外赴任:605~785
  • 技術部門:520~715
  • 営業部門:535~765
  • 国際部門:660~840

上記の各項目の平均は、「565~750点」となります。

 

この結果を見ると、最低でも600点、海外で英語を駆使した仕事をしたい場合は800点以上を目安にするのがいいでしょう。

 

しかし、あなたが個人事業者場合、状況は変わってきます。なぜなら、あなたは企業の規定に縛られることがないからです。別の言い方をすると、あなたが必要だと考えるレベルを目指してもいいのです。自分の英語レベルや行っている事業によって、自由に決められるのが、個人事業者の最大の利点です。

 

ここで忘れてほしくないのは、TOEICはあくまでも「目安」だということです。

 

TOEICを受験するほとんどの人は、リスニングとリーディング試験を受けます。スピーキングとライティング試験もありますが、まだ一般的ではありません。

 

英語というのは、四技能(リスニング・リーディング・スピーキング・ライティング)全てがそろっていなくてはいけません。四技能のうち、2つのみを計る試験では、あなたの英語能力を完全に反映しているとは言い難いです。TOEICは、「どの程度の能力があるのかを計る試験」と捉えるのがいいでしょう。

 

目標とする点数をとっても、以後も努力を続ける必要はあります。英語学習には終わりがないことを、常に頭に入れておくといいでしょう。

【最終目標は「雑談(small talk)」ができること】

本当の英語力が試されるのは、実はビジネスの現場ではなくちょっとした会話の中であること、ご存じでしょうか。

 

雑談のことを “small talk” と言います。直訳すると、「小さい(ちょっとした)話」 となります。

 

私たち日本人も、単刀直入にビジネスの話をせず、周りの話題から入ることが多いですね。英語圏でも同じです。

 

<なぜ、”small talk” が重要なのか?>

 

“small talk” をする理由は、ズバリ「場を和ませる」ことと「相手に好印象を持ってもらう」ためです。日本でも私たちは雑談をしますが、意味合いはほぼ同じと思っていいです。

 

相手に好印象を持ってもらうためには、自分のことを知ってもらう必要があります。自慢をするのではなく、「私」という人物を知ってもらうことが必要です。

 

英語圏で好まれるのは、以下のようなトピック(話題)です。

  • 天気
  • スポーツ
  • 映画
  • 家族
  • 趣味
  • ボランティアや社会奉仕
  • 政治や宗教観

「天気・スポーツ・映画」などは無難なトピックなので、きっかけを作るには最適でしょう。

 

一方、「ボランティアや社会活動」は、欧米では好印象を与えますので、話が弾んできたら話題にしていいでしょう。

 

ちなみに、「政治や宗教観」は、初対面の場合は避けた方がいいです。個人の思想・信条が出やすいトピックですので、逆効果になる場合もあるからです。

 

<“small talk” には事前準備が欠かせない>

 

“small talk” はビジネスを行なう上でとても重要です。

 

しかし、行なうのは簡単ではありません。なぜなら、「トピックが多岐におよぶから」です。

 

ビジネスで使う英語は、決まりきったフレーズや単語が多いので、覚えるのにそれほど苦労がありません。ただ、”small talk” はトピックが広い範囲に及ぶため、覚えるべき英語も必然的に多くなります。

 

そこで、重要になってくるのが「事前準備」です。

 

たとえば、私が海外赴任をしていた時、日本に興味があるアメリカ人が多くいました。特に、日本食に興味があることを知りました。ですので、日本で流行している食べ物についてインターネットで調べ、英語で説明したものでした。

 

中には説明が難しいものもあります。そういったものに関しては、「こうやって説明したら理解できるかな」と考え、アメリカ人の同僚に手伝ってもらい確認をしたものです。

 

天気やスポーツの話題は、会話のきっかけを作るのに最適です。相手と共通の話題になりやすいからです。天気の話題を話すには、天気を表す単語やフレーズを覚える必要があります。

 

スポーツにしても、同じことが言えます。そして、話を膨らませるために、ニュースなどを常にチェックしておくことも大切です。

 

話題になっているニュースや出来事は、必ずチェックしておきましょう。こちらから話題に上げてもいいですし、逆に相手から話題として振られることもあります。

 

そういう時にこそ、あなたが何を考えているのかを伝えなくてはいけません。意見がないイコール「関心がない」と思われてしまいます。場合によっては、「つまらない人」という認識を相手に与えてしまう可能性があります。

 

相手の心を和ませるには、しっかりとした「事前準備」が必要です。

 

このとき、準備は、英語で行なうことになります。トピックによっては、時間がかかるでしょう。

 

しかし、時間をかけることで、よりスムーズな会話が成立します。これを繰り返していくうちに、徐々に慣れていくのです。

【まとめ】

ネイティブのような流暢な英語を話すことは、私たちにはできません。しかし、世界人口ほとんどが非ネイティブであることから、まずは「シンプルな英語」ができるようになることから始めましょう。

 

TOEICは、自分の英語レベルの目安としてとても参考になります。

 

ただし、これはあくまでも目安であるため、点数を取ることを「目標」にしないようにしてください。

 

自分の英語レベルを常に意識しながら、日々英語で情報を入手し、それを発言することで英会話に慣れていきましょう。